理化学検査Q&A

理化学検査につきましてお客様からよくいただくご質問をまとめました。

基本・全般

  • どんな食品でも理化学検査はできますか?

    基本的にほとんどの食品で可能ですが、検体量や状態によっては前処理が難しい場合もあります。

  • どのくらいの量を提出すれば良いですか?

    検査項目によりますが、目安として200g程度あれば多くの検査に対応可能です。

  • 検査にかかる日数はどのくらいですか?

    検査内容より差があり1週間~1ヶ月となります。

  • 理化学検査は安全性の確認にも使えますか?

    直接的な「安全性」評価ではなく、品質・成分の安定性や劣化状態の確認に用いられます。

  • 品質規格の設定をしたいのですが、どの検査をすれば良いですか?

    一般的には、水分、pH、塩分、酸価、過酸化物価などの基本的な理化学項目を中心に、製品特性や原料・保管条件に応じて必要な項目を組み合わせて設定します。弊社では、お客様の製品に最適な検査項目をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

  • 製造ラインごとの違いを見たい場合も理化学検査で分かりますか?

    はい。同一品の複数ラインサンプルを比較することで、ばらつきや傾向を把握できます。

  • 包装形態(真空・ガス充填)によって結果は変わりますか?

    はい。特に酸価・過酸化物価は包装状態によって影響を受けます。

水分・灰分・pH関連

  • 水分はどのように測定しますか?

    加熱乾燥法では試料を一定の温度・時間で加熱し、加熱前後の重量差から水分量を求めます。その他、微量な水分を測定する方法としてカールフィッシャー法(滴定法)などがあります。

  • 灰分の意味を教えてください。

    食品を高温で燃焼し、残った無機物(ミネラル類)の割合を灰分といいます。

  • pHを測る目的は何ですか?

    酸性・中性・アルカリ性の程度を数値化し、品質変化や保存性の目安とします。

  • pHが変わると食品にどんな影響がありますか?

    酸味や苦味などの味、微生物の増殖しやすさ、保存安定性などに影響します。

  • 液体でない食品のpHも測れますか?

    可能です。一定量の試料を水に懸濁して測定します。

塩分・酸価・過酸化物価など

  • 塩分濃度の測定方法を教えてください。

    塩分量は、食品表示で用いる「食塩相当量」と同じく、ナトリウム量を測定し NaCl に換算して算出する方法が一般的です。また、食品中の塩化物イオン(Cl-)量を測定し、同様にNaCl 量として算出する方法(モール法)もあります。

  • 酸価(AV)とは何ですか?

    油脂がどの程度分解されているかを示す指標で、古くなった油では酸価が上昇します。

  • 過酸化物価(POV)とは何ですか?

    油脂の酸化初期段階を示す数値で、劣化が進むと増加します。

  • 酸価や過酸化物価の基準はありますか?

    食品衛生法や業界自主基準で目安値が定められている場合があります。例:揚げ油AV≦2.5、POV≦30など。

  • 油の劣化を判定したい場合、どの項目を依頼すれば良いですか?

    酸価と過酸化物価の2項目をセットで測定するのが一般的です。

  • 検体自体の油が少ない場合、酸価・過酸化物価の検査は可能ですか。

    油の抽出が出来ず、検査不可となる場合がございます。その場合、抽出料金のみ頂戴いたします。

  • 酸価・過酸化物価の検査は最低限何g必要でしょうか。

    油を抽出して検査を行うため、油で調理している一般的な検体は300g以上いただければ検査可能です。その他の場合は都度ご相談ください。

  • 酸価が高い=腐っているということですか?

    腐敗とは異なります。油脂が加水分解して酸性物質が増えた状態で、酸敗の指標です。

  • 過酸化物価が高い場合、味や匂いに影響しますか?

    はい。油脂の酸化により金属臭や酸化臭(油焼け臭)が発生します。

  • 水分値が変動すると品質にどう影響しますか?

    高すぎるとカビ・腐敗、低すぎると硬化や風味劣化の原因になります。

栄養成分分析関連

  • 栄養成分表示用の検査はできますか?

    可能です。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などを測定・計算します。

  • 無塩タイプの食品ですが「食塩相当量」は表示が必要ですか?

    はい。無塩タイプの食品であっても、栄養成分表示が必要な食品であれば「食塩相当量」の表示は必要です。たとえゼロ表示ができる場合であっても、表示項目そのものを省略することはできません。

  • 試作品でも栄養成分分析できますか?

    可能です。実際に製造したサンプルを提出いただければ測定できます。

  • 内容量あたりでの結果を出していただくことは可能ですか。

    栄養8項目・10項目の場合は可能です。依頼書に内容量のご記入をお願いいたします。

  • 内容量を計測してもらうことは可能ですか。

    内容量は弊社では計測しておりません。

  • 100ml単位での結果を出していただくことは可能ですか。

    併せて比重の検査をご依頼いただき、100ml単位で報告希望の旨を依頼書へ追記ください。

検査依頼・取扱い・報告関連

  • 検体が少ししかないのですが、複数項目の検査は可能ですか?

    項目によって必要量が異なります。最小限で対応できる場合もありますのでご相談ください。

  • 冷凍品のまま送っても大丈夫ですか?

    問題ありません。品質変化を防ぐため、冷凍・冷蔵の状態でお送りください。

  • 同じ製品でも毎回数値が少し違うのはなぜですか?

    食品は原料や製造ロットに由来する自然なばらつきがあるため、同じ製品でも数値が変動することがあります。こうした製品特性による変動により、測定値に多少の違いが見られることがあります。

  • 検体を返却してもらうことはできますか?

    未使用分があれば返却可能です。返却の場合、着払いとなりますので何卒ご了承ください。

  • 賞味期限内かどうかの確認はできますか?

    理化学検査だけで賞味期限そのものを判断することはできませんが、酸価や過酸化物価などの推移から品質劣化の傾向を把握することは可能です。弊社では、微生物検査・理化学検査による科学的根拠に基づいた期限設定をサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

  • どの検査を選べば良いか分からない場合は?

    用途(例:成分確認、劣化判定、表示作成など)をお知らせいただければ、お客様の製品特性に最適な検査項目をご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

重金属

  • 重金属とは何ですか?

    一般に比重が大きく、人体に有害な影響を及ぼす可能性のある金属元素を指します。食品検査では主に鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ヒ素(As)、水銀(Hg)などが対象となります。

  • なぜ食品で重金属を検査する必要があるのですか?

    重金属は自然界や製造工程で混入する可能性があり、長期摂取により健康被害を及ぼすため、食品衛生法で含有量が規制されています。

  • 重金属はどんな食品で問題になりやすいですか?

    穀類、野菜、魚介類、海藻、茶葉、キノコ類などに多く見られます。特にお米ではカドミウム、魚類では水銀、海藻ではヒ素が問題となることがあります。

  • 重金属の検査方法にはどんな種類がありますか?

    主に原子吸光光度法、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析法、ICP質量分析法などが用いられます。目的や濃度に応じて使い分けます。

  • 前処理はどのように行いますか?

    一般に試料を酸(硝酸など)で分解して金属成分を溶出させ、分析装置で測定します。固体試料では湿式分解が一般的です。

  • 不検出とはどのような意味ですか?

    検出限界(LOD)未満であることを示します。完全に「ゼロ」という意味ではなく、「測定装置の検出可能な範囲以下」です。

  • 六価クロムやニッケルなども検査対象になりますか?

    通常の食品衛生法では対象外ですが、輸出先国の要求や特定用途(健康食品、サプリメントなど)では検査を行う場合があります。

  • メチル水銀と総水銀の違いは?

    総水銀はすべての水銀化合物の総量を指し、メチル水銀はそのうち特に有害性の高い有機形態を指します。魚介類ではメチル水銀の測定が重視されます。

  • 重金属の基準値はどのように決まっていますか?

    国内ではお米(玄米及び精米)中のカドミウムについて、0.4 mg/kg(ppm)が基準値として設定されています。魚介類中の水銀については基準値は設定されていませんが、厚生労働省は妊娠中の女性に対し、過剰摂取とならないよう摂取上の注意喚起を行っています。

  • 輸出食品では基準が違うのですか?

    はい。海外各国・地域では日本と異なる規制を設けている場合があります。輸出先国・地域の法令に従う必要があります。

  • 加工によって重金属濃度は変化しますか?

    一部の金属は加熱や洗浄で減少しますが、基本的にはほとんど変化しません。原料段階での管理が重要です。

  • 検査結果の報告単位は?

    報告単位は mg/kg 又は ppm となります。

  • 一部の製品だけ高値が出た場合、どう判断すべきですか?

    原料ロット差、土壌や海域の影響が考えられます。再検査や原料ロットの確認が有効です。

ミネラル

  • ミネラルとは何ですか?

    ミネラルは、体の構成や生理機能の維持に必要な無機質成分です。カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどが代表的です。

  • 栄養成分としてのミネラルと重金属は違うのですか?

    はい。ミネラルは生体に必須な元素ですが、重金属(鉛・カドミウムなど)は有害金属です。ただし、一部の元素(鉄・銅・亜鉛など)は「多すぎると有害」にもなります。

  • 食品中のミネラルはどのように利用されていますか?

    栄養成分表示(食品表示法)や、健康食品の品質確認、製品設計時の栄養バランス確認などに利用されます。

  • ミネラル検査はどんなときに行いますか?

    栄養成分表示の裏付け・原材料や製品の栄養バランス評価・サプリメントや健康食品の品質保証などに用いられます。

ビタミン

  • ビタミン検査とは何ですか?

    食品中に含まれるビタミンの種類や量を分析する検査です。栄養成分表示の確認、品質管理、規格適合性の評価に使われます。

  • ビタミン検査の活用例は?

    栄養成分表示の正確性確認や食品規格・基準値への適合確認、新商品開発時の栄養設計などに用いられます。

アミノ酸

  • アミノ酸検査とは何ですか?

    食品中のアミノ酸の種類や量を分析する検査です。栄養成分表示の確認、品質管理、原料や製品の特性評価に用いられます。

  • アミノ酸検査の活用例は?

    栄養成分表示の確認・たんぱく質含量や必須アミノ酸バランスの評価・品質管理や製造ロット差異の評価などに用いられます。

脂肪酸検査

  • どのような食品が検査対象ですか?

    食用油、加工食品、畜産物、水産物、乳製品、菓子類など広く対象です。

  • 栄養成分表示(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸)に使えますか?

    はい、ご利用いただけます。弊社では食品表示向けに、「飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール」の3項目セットもご用意しております。是非ご活用ください。

  • 調理後の食品でも分析できますか?

    可能です。調理による変化を評価する用途にも使われます。

糖類検査

  • 糖類検査では何がわかりますか?

    食品中のグルコース、フルクトース、スクロースなど個々の糖類の含有量がわかります。

  • 糖質検査と糖類検査は何が違いますか?

    糖質は「炭水化物から食物繊維を除いたもの」、糖類は「単糖+二糖(砂糖など)」となり対象範囲が異なります。

  • 「砂糖不使用」「低糖」などの表示確認にも使えますか?

    根拠データとして利用されます。

食品添加物検査

  • 食品添加物検査では何がわかりますか?

    食品に含まれる添加物の有無および含有量が確認できます。規格基準に適合しているか評価できます。

  • どんな食品で検査が必要ですか?

    加工食品全般(飲料、菓子、漬物、調味料、惣菜など)で実施されています。

  • 保存料や抗菌剤が基準量より多く入っていないか確認できますか?

    はい。製造ロットのばらつき確認にも使用します。

  • 添加物が自然由来か合成かの判別はできますか?

    多くの場合困難です。化学構造が同じため区別がつかないケースがあります。

ペットフード検査

  • ペットフードに法律上の検査義務はありますか?

    ペットフード安全法による基準・規格があります。不適合となる物質や成分に関して検査が必要な場合があります。

  • 栄養成分の基準はどこが定めていますか?

    ペットフードの表示基準は、食品とは異なり法令で明確に定められてはいません。しかし、ペットフード公正取引協議会が制定する 「ペットフードの表示に関する公正競争規約および同施行規則」 が自主的な基準として広く活用されています。

  • 缶やパウチ製品のまま提出できますか?

    可能です。開封せずお送りください。

  • ペットフード安全法検査で、対象動物によって検査内容は変わりますか?

    犬用・猫用で基準が異なる成分があります。

  • ペットフードでも腐敗や食中毒菌の検査は必要ですか?

    推奨されます。特にウェットや生タイプは細菌管理が重要です。

  • ペットフード検査において検査不可の検体はありますか?

    牛の骨、鹿の角、大型魚類の頭などは当社保有の粉砕機では均質化が不可能なため受託不可とさせていただきます。

カビ毒検査

  • カビ毒とは何ですか?

    カビが産生する有害な二次代謝産物の総称で、食品汚染や人体への健康被害が問題となります。

  • どんな食品でカビ毒検査が必要になりますか?

    穀類、ナッツ、コーヒー豆、香辛料、果実加工品、牛乳など、原料由来のリスクがある食品が対象となります。

  • 加熱すればカビ毒はなくなりますか?

    耐熱性が高いため、調理や加熱では分解されません。

  • 食品を洗えばカビ毒は除去できますか?

    食品内部にまで移行している場合が多く、洗浄では除去できません。

  • カビ毒発生を防ぐには?

    水分活性の管理、十分な乾燥、適切な温湿度での保管、害虫侵入の防止など、原料・製品および保管環境の総合的な管理が重要です。リスクを的確に把握するためには、定期的なカビ毒検査を実施し、管理状態の妥当性を確認することも有効です。

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