倫理方針

ヒトの試料及び情報を扱う業務に関する倫理方針

近年の遺伝子解析技術の発展は、その結果が患者本人だけでなく血縁者にも影響を与え得る遺伝性疾患の診断を可能にし、更には母体の血液を使った胎児の遺伝学的検査を実用化させています。また、これら診断・検査技術の開発を含めた様々な医学研究には、研究材料として、血液、尿、細胞、組織などのヒトの試料が使われ、加えて最近では検査の測定値や疾患履歴等の情報が使用され始めています。
これらにより、診療や医療に進歩的な恩恵がもたらされていますが、同時に患者(被験者)や研究対象者に対しては倫理的配慮の重要性が増しています。当社は、遺伝学的検査及び出生前検査(以下、合わせて「遺伝学的検査等」)の受託、並びにヒトの試料や情報を使用するその他の業務や製品・サービスの研究開発等においては、被験者や研究対象者の人権を守り、生命の尊厳を重んじ、法的、倫理的及び社会的正当性を以てこれらを実施するために、関連する省庁及び学会の指針やガイドライン等に従い、次に掲げる事項を遵守します。

  • 個人情報の保護
    遺伝学的検査等及びヒトの試料や情報を使用する研究開発、並びにその他個人情報の秘匿が要求される業務においては、被験者や研究対象者の匿名化を行った上でこれらを実施します。
  • 自由意思による同意(インフォームド・コンセント)
    遺伝学的検査等及びヒトの試料や情報を使用する研究開発は、被検者や研究対象者にその目的、方法、結果の開示方法、更に検査の場合は精度、限界等に関する十分な説明が行われ、インフォームド・コンセントが取得されることを実施の前提とします。
  • 倫理審査
    ヒトの試料や情報を使用する研究や開発を行う場合は、その有用性並びに法的、倫理的及び社会的正当性を当社の倫理審査委員会にて審議し、承認を受けた上で実施します。
  • 遺伝学的検査等に関するその他の事項
    • 遺伝学的検査等は、その分析的妥当性、臨床的妥当性及び臨床的有用性を確認し、臨床的及び遺伝医学的に有用と考えられたものを行います。
    • 遺伝学的検査等は、その受託に際しては医療機関にて遺伝カウンセリング体制が整っていることを確認します。
    • 遺伝学的検査等は、ISO15189等の国際的な規格に基づいて実施することにより結果の信頼性を保証します。
    • 遺伝学的検査等のために受領した血液や組織等は、委託された検査以外の用途には使用しません。また、これらは所定の期間保管し、その後は適切に処分します。
      第三者には分与しません。
    • 出生前検査は、全妊婦を対象とした検査としては受託しません。
  • 準拠資料
    • 遺伝学的検査
      遺伝学的検査受託に関する倫理指針(2022年9月1日改定 日本衛生検査所協会)
      遺伝学的検査の実施に関する指針(2016年4月1日 日本小児科学会、日本神経学会、日本人類遺伝学会、日本衛生検査所協会)
      医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン(2022年3月改定、日本医学会)
    • 出生前検査
      出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解(2013年6月改定 日本産科婦人科学会)
      母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針(2013年3月 日本産科婦人科学会)
    • ヒトの試料や情報を使用する開発研究等
      人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(2022年3月10日一部改正 文部科学省、厚生労働省、経済産業省)
      人間を対象とする医学研究の倫理的原則(ヘルシンキ宣言)(2013年10月改正 世界医師会)

2016年3月1日 制定
2023年3月1日 改定
株式会社LSIメディエンス

倫理審査委員会 委員名簿

委員長 楠 智 代表取締役常務
委員(社外) 秋元 美晴 恵泉女学園大学 名誉教授
委員(社外) 石井 たみ子 (株)パーティ・フー 代表取締役専務
委員(社外) 木村 聡 昭和大学横浜市北部病院 教授
委員(社外) 廣瀬 幸夫 東京工業大学 名誉教授
委員 三部 孝 臨床検査事業本部 事業管理統括部
委員 菅原 由人 メディカルソリューション本部
高度技術分析センター
委員 浜砂 寿行 品質保障部門 品質保証部
委員 宮田 靖則 Legal & Compliance部

倫理審査委員会 議事録

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