微生物検査

検査項目

多彩な検査項目で衛生指標菌及び食中毒菌の検査ニーズにお応え致します。

検査項目 必要量 検査日数
一般生菌数 50g 3営業日
大腸菌群 50g 2営業日
大腸菌 50g 3営業日
黄色ブドウ球菌 50g 3営業日
サルモネラ 50g 4営業日
腸炎ビブリオ 50g 3営業日
セレウス 50g 2営業日
カンピロバクター 50g 4営業日
腸管出血性大腸菌 50g 3営業日
腸管出血性大腸菌O157 50g 3営業日
耐熱性芽胞菌数 50g 3営業日
乳酸菌数 50g 4営業日
カビ数 50g 8営業日
酵母数 50g 6営業日
リステリア 50g 5営業日
ウエルシュ 50g 3営業日
エルシニア 50g 24営業日
ボツリヌス 100g 14営業日
  • 上記以外の微生物項目についても検査を承っております。詳しくはお問い合わせください。
  • 検査日数は検査開始日からの日数です。また、疑陽性時に実施する確認検査の日数は含まれません。

お問い合わせ / ご依頼方法について

[お薦め検査項目セット]

一般生菌数 大腸菌群 大腸菌 黄色ブドウ球菌 サルモネラ 腸炎ビブリオ
弁当・惣菜
調理パン(未加熱具材なし) (〇)*1
調理パン(未加熱具材あり) (〇)*1 (〇)*1
食肉製品(非加熱食肉製品)
魚肉ねり製品
生食用魚介類
洋生菓子 *2
  • *1検体により追加した方がよい項目
  • *2生鮮果実部を除く

期限設定サポート

2025年3月「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が改正されました。
新ガイドラインでは、科学的根拠に基づいた柔軟な期限設定と消費者への情報提供の充実が求められており、食品ロス削減と安全性の確保を両立するための具体的な対応策が提示されています。

中でも、安全係数の扱いは従来の「0.8以上を目安」から「1に近い値」へと見直され、より実態に即した設定が可能となりました。

当社では、各食品の特性や保存条件に応じて、科学的データに基づいた最適な保存条件と試験設計をご提案し、貴社の商品にふさわしい期限設定をご支援します。

【ガイドラインの主な改正ポイント】

消費期限及び賞味期限の設定
  • 科学的根拠に基づく柔軟な期限設定と、保存条件の表示を推奨
  • 「5日」基準は推奨されないことを明記
客観的な項目(指標)及び基準の設定
  • 食品の特性に応じた指標を設定することを明記(一律適用は不適当)
  • 科学的試験、 HACCPによるハザード分析等の活用を明確化
安全係数の設定
  • 食品ごとの特性に応じ、安全係数は1に近い値とすることを推奨
  • レトルト食品等、安全係数を適用しなくてもよい食品を明記
消費者向けの情報提供
  • 情報提供の責任主体は「表示責任者」であることを明記
  • 賞味期限については、「おいしい目安」等の説明を付記することを推奨
食品アレルギーによる健康被害を防ぐために
  • 表示責任者が基準を決定し、適切な指標を組み合わせることを推奨
  • 微生物試験ではHACCP分析、植菌実験等の活用を新たに追加

【微生物試験・理化学試験での項目選定の考え方】

  1. 1

    対象食品の成分規格等の有無を確認

    成分規格が定められている項目を指標として利用できるかを検討する。

    [ 成分規格等で規格基準がある主な項目 ]
    ・一般生菌数 ・大腸菌群 ・大腸菌 ・黄色ブドウ球菌・腸炎ビブリオ ・サルモネラ属菌 ・クロストリジウム属菌・カビ数 ・酵母数 ・水分活性 等
  2. 2

    対象食品の特性に合致した指標の確認

    品質の変化を、経時的に確認できる項目の追加を検討する。

    [ 油脂を含む食品 ]
    酸価、過酸化物価 等
    [ 発酵食品 ]
    pH、滴定酸度 等
    [ 食肉・魚肉製品 ]
    揮発性塩基窒素 等
  3. 3

    対象食品の、危害要因を考慮した指標を確認

    対象食品特有のリスクに応じて、食中毒の原因菌の追加を検討する。

    [ 低温流通食品 ]
    リステリア 等
    [ 加熱加工食品 ]
    耐熱性芽胞菌数 等
    [ 真空包装・脱酸素包装食品 ]
    嫌気性菌数 等

【LSIメディエンスの期限設定サポートの特徴】

全てのステップをサポート
保存条件の設定、検査項目の選定、判定基準の設定等、全てのステップについて、お客様の食品の特性に合わせた、最適な条件をご提案いたします。
充実した保存検査
  • -18℃,0℃から55℃まで、幅広い設定が可能です
  • 保存期間は90日まで保存料金は無料。長期保存にも対応しています
  • 検体を調理後(油調等)の保存も承ります
迅速な結果報告
保存完了後の一括報告の他、各設定ポイントでの検査終了の都度の報告も可能です。メール報告やWEB報告等、多彩な報告形式をご用意しております。

[検査項目セットのご提案の例]

対象食品 検査項目
冷蔵食品
(加熱後冷蔵)
弁当
惣菜 等
一般生菌数、大腸菌群、大腸菌、黄色ブドウ球菌
RTE食品
(非加熱冷蔵)
スモークサーモン
生ハム 等
一般生菌数、乳酸菌、大腸菌、サルモネラ属菌、リステリア、水分活性、揮発性塩基窒素
真空包装食品
(冷蔵)
煮魚
ハンバーグ 等
一般生菌数、大腸菌群、嫌気性菌数、耐熱性芽胞菌数、水分活性
焼き菓子・低水分
(常温・長期)
クッキー
ビスケット 等
一般生菌数、カビ数、酵母数、水分、水分活性、酸価、過酸化物価
  • 検査項目はカスタマイズが可能です。
  • その他の食品についてもご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。

【期限設定の一般的な流れ】

  • 設定STEP
    設定STEP
    • 1期限の仮設定
    • 2保存検査の条件設定
    • 3判定基準の設定
  • 実施STEP
    実施STEP
    • 4保存検査の実施
      • ・試料の保存開始
      • ・測定日毎に検査を実施
  • 評価STEP
    評価STEP
    • 5検査結果の判定・評価
    • 6実際の期限の算出
  • 決定STEP
    決定STEP
    • 7表示期限の決定
    • 必要に応じて設計を変更し、STEP1~7を繰り返す

用語解説

一般生菌数

一般生菌数(生菌数)とは食品の衛生学的品質を評価する衛生指標菌(汚染指標菌)の一つです。
標準寒天培地と呼ばれる限られた栄養条件下のもと、好気的にある一定の温度条件下で発育する菌数を測定したもので、食品の取り扱い状態の可否などを調べるための最もオーソドックスな検査項目です。
一般に、食中毒菌がいなければ生菌数が多くとも食中毒事故は起こりませんが、多量の菌が存在するということは、当然、その中に食中毒菌も存在するリスクがあるということです。
一方で、生菌数が少ないからといって安全であるとは限りません。なぜなら、生菌数は標準寒天培地という限られた栄養条件で好気的に培養するため、低温細菌やいわゆる嫌気性菌、腸炎ビブリオの様な好塩細菌は発育しないからです。
食品衛生法で定める成分規格(代表的なもので冷凍食品や乳等省令)に細菌数○○以下であると定められている事からも、各種食品製造に従事する者としては日々の品質管理業務に取り入れていくことが大切です。

大腸菌群

大腸菌群は、グラム陰性の無芽胞桿菌で、乳糖を分解して酸とガスを産生する好気性又は通性嫌気性の細菌の一群をいいます。
大腸菌群は、ヒトや動物の糞便だけでなく、土壌、水、空気中など幅広く分布し、これらの環境からの汚染指標菌とされています。
加熱済みの食品から検出の場合、加熱不良や加熱後の二次汚染など食品の取り扱いの悪さを意味することとなります。
また、未加熱の食品から多量に検出された場合もリスクが高いことを示しますが、糞便汚染によるものか環境に由来するものかは判断できません。

大腸菌

大腸菌群の中で44.5℃で発育して、乳糖を分解しガスを産生する菌群を糞便系大腸菌群といい、食品衛生法ではE.coliと表現しています。
さらに、IMViC試験のパターンが「++--」または「-+--」のものを大腸菌(Escherichia coli )としています。
食品衛生法では、乾燥食肉製品、生食用かき、加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱以外)などにE.coliが陰性または○○以下という成分規格が定められています。E.coliは、ヒトおよび動物の糞便に存在する確率が高く、自然界で死滅しやすいなどの理由から、食品中の存在は直接または間接的に比較的新しい糞便汚染を示すものと考えられています。食品が衛生的に取り扱われたか、病原菌汚染の可能性があるか否かを示し、安全性を評価する衛生指標菌と考えられており、通常、自然界からの汚染がそのまま反映される生肉、魚介類、生野菜などの未加熱食品では、ECテストが適用されます。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌はヒトや動物の皮膚に常在する細菌の一種です。
黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品中で増殖した黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンと呼ばれる毒素によって起きるもので、この毒素は耐熱性で、食品を加熱して菌を死滅させても毒素はそのまま残ります。それを食べた場合に、だいたい0.5~4時間程度で激しい嘔吐を伴う食中毒を引き起こします。
黄色ブドウ球菌は自然環境に強い抵抗性があり、河川などにも生存し魚介類も汚染を受けることが知られています。
また、高濃度の食塩存在下でも発育できるという特性があるため、あらゆる食品が汚染源となるリスクがあります。

サルモネラ

サルモネラは代表的な食中毒菌で、その種類は現在2000種類以上に分類されています。乾燥に強く、食中毒の発生要因をみると食肉や卵などの原材料の汚染が最も多く、次に手指からの汚染や調理器具や調理施設からの汚染となっています。

サルモネラによる食中毒はサルモネラ属菌に汚染された食品を摂取し、腸管内で増殖することによって起こる感染型食中毒といわれるものです。主な症状は、嘔吐、水様性下痢などの消化器症状、発熱などで、潜伏期間は約12時間ほどといわれています。最近では鶏卵を原因とする食中毒が増加しており、生の卵を使用した料理やサンドイッチ・サラダ等を原因とする事例が多くなっています。鶏卵由来のサルモネラ食中毒は S.Enteritidis が原因菌であることが多く、特に小児の S.Enteritidis 感染症では潜伏期間も3~4日になることもあるようです。

サルモネラは鶏や牛、豚などの家畜も保菌していることから、食肉へのサルモネラ汚染の除去はかなり困難で、食肉などはサルモネラに汚染されているものと考え二次汚染の防止や十分な加熱を行うことが大切となります。さらに食肉等の取り扱いは低温で行い菌の増殖を防ぐことが重要です。

食品衛生法では加熱食肉製品および殺菌液卵についてサルモネラの成分規格が定められていますが、過去には魚介類加工品などが原因食材となっていたケースもあり、あらゆる食品が原因食材となる可能性があります。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは、3%の食塩濃度で最もよく発育する好塩性の海水細菌であり、夏季の海水、沿岸海域付近の海水および魚介類、沈殿物などに広く分布しています。
本菌で汚染された魚介類を生食することで、ヒトに感染して腸炎ビブリオ食中毒を発症させます。
日本では毎年、食中毒事故の発生件数、患者数で共に上位で、その発生は気温、水温の高い夏場に集中しています。
腸炎ビブリオは、増殖力が早く35~37℃の温度帯では10分に1回の割合で増殖することが知られている一方、
低温、高温、真水、酸による処理に弱いため、調理・加工の際には真水で十分洗浄すると共に低温管理する事が大切となります。

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