予防医学

子宮頸がんとHPV


子宮頸がんとHPV

HPVは性交渉で感染する子宮頸がんの原因ウイルスです

“がんの原因”には明らかになっていないものが多いですが、子宮頸がんに関してはその原因が性交渉で感染するHPV(ヒト・パピローマウイルス)というごくありふれたウイルスであることが解明されました。最近は性交開始年齢の若年齢化が進んでいるため、20-30代の女性の子宮頸がん発生が増加しています。

性交渉を持ったことのある多くの女性が一生に一度は感染します

HPVは性交経験のある女性では誰でも感染しうるありふれたウイルスです。また、コンドームを使用しても感染予防はできないこともあるので、HPVに感染したことのない女性はむしろ少数派です。

ほとんどのHPV感染は免疫力によって、自然に治ります

HPVに感染しても、その多くはその人の免疫力によって、HPVが排除されて自然に治る事がわかっています。特に10-20代の女性では、HPVに感染しても、約70%は1年以内に、約90%は2年以内にウイルスが消失します。

一部のひとでHPV感染が長期化(持続感染)することがあります

一部のひと(約10%)では、HPVが消失せず感染が長期化(持続感染)することがあります。この場合、がんの前段階を経て、子宮頸がんに進行する危険性がないとはいえません。持続感染化するかどうかには個人差があり、現時点では予測できません。また、HPV感染から子宮頸がんに至る期間は平均10年以上とされていますが、個人差があり、免疫力が弱い体質などでは数年で進行する場合があります。

持続感染すると、子宮頸部の細胞にHPV感染による変化が現れます。この変化を異形成といいます。異形成は、軽度、中等度、高度と時間をかけて進行し、上皮内癌を経て最終的に子宮頸がんになる場合があります。

HPV検査を細胞診に併用することによって、現在のがん(又は異形成)の有無がより正確にわかります

今の子宮頸がん検診は細胞診という検査法が主流です。これは、異形成の有無を顕微鏡を使って検査する方法で、がんの診断には有効な方法です。しかし、がんの前段階である異形成の診断においては、検査の特性として病変を発見できないことが少なくありません。

一方、HPV検査は原因ウイルスの存在を調べる検査なので異形成の有無の予測にも優れています。細胞診とHPV検査を併用することで、診断の精度をほぼ100%にまで上げることができ、ひいては検診の頻度をへらすことも可能になります。

定期的なHPV検査により、自分が将来、子宮頸がんになる危険性があるかどうか予測できます

HPV陽性であれば将来子宮頸がんになる危険性があることを意味しますが、ほとんどのHPV感染は自然に消失するので、1回の検査で陽性であっても心配する必要はありません。

初回のHPV検査が陽性で、次のHPV検査(6-12ヶ月後)で陰性であった場合は、原因ウイルスが消えているため、やはりがんになる可能性はほとんどありません。その時点の細胞診でも陰性の場合は、その後3年間は検診の必要がないとされています(米国ガイドライン)。

一方、2回以上連続してHPV陽性となった場合は、持続感染と考えられ、どこかに異形成が存在するか、将来異形成から子宮頸がんに進行する可能性があることになりますので、精密検査(コルポスコピー検査や組織検査)が推奨されます。また、精密検査で異常がなくともが陰性化するまで、HPV検査と細胞診により定期検診を受診する必要があります。

子宮頸がんは他のがんと異なり、検診でより確実に予防できます

HPVが子宮頸がんの前段階である異形成を発生させるので、HPV検査を細胞診に併用することで、検診の精度が向上し、リスクの把握ができるようになるため、確実にがんの前段階で異常を検出する事ができるようになりました。

このことから、HPV検査を併用した子宮頸がん検診の目的はがんの早期発見から、がんになる前の段階での予防(異形成での発見・治療)になったということができます。

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