遺伝子・染色体検査

免疫関連遺伝子再構成 PCR法

PCR法による免疫グロブリン(Ig)遺伝子、T細胞受容体(TCR)遺伝子の再構成を利用したクロナリティ解析です。検査手技の煩雑なサザンブロット法と比較して所要日数が短縮されており、また少量の検体でも検出が可能となります。

[検査の適応]

悪性リンパ腫、リンパ性白血病におけるクロナリティ(細胞系統)の有無を判定

[検査法]

PCR・キャピラリー電気泳動法

検査材料 必要量 保存条件 所要日数 実施料 判断料
EDTA加血液 3mL 冷蔵(4℃) 8〜11日 2,520点
(D006-6 免疫関連
遺伝子再構成)
125点
(血液学的検査判断料)
骨髄液
(保存液入り容器)
1mL 冷蔵(4℃)
組織
(滅菌スピッツ管)
200mg(6mm角) 深冷凍結

[備考]

悪性リンパ腫、急性リンパ性白血病又は慢性リンパ性白血病の診断の目的で検査を行った場合に、6月に1回を限度として算定できます。
「D004-2」の悪性腫瘍組織検査の「1」の悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査又は区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定します。

■臨床的意義

免疫機能を担っているリンパ球は、その分化・成熟過程で免疫関連遺伝子の再構成を伴うことが知られています。この特性を生かし悪性リンパ腫、リンパ性白血病においてクロナリティ(細胞系統)の有無を判定します。

■測定原理

本検査は、IVS(InVivoScribe Technologies)社製のキットを使用し、PCR法により標的遺伝子を増幅し、キャピラリー電気泳動法にてPCR産物を検出します。

■特徴

IVS社製のPCR法は、欧州委員会が行った研究支援プロジェクトBIOMED-2で標準規格(*1)となっており、またサザンブロット法と同等の検査法であることが報告(*2)されています。
従来のIGH遺伝子におけるPCR法では、VH領域FR3にのみプライマーセットを設定していましたが、これを幅広く設定することで確実に再構成を検出します。

■参考資料

*1 JJM van Dongen.et al.: Leukemia 17:2257-2317,2003
*2 Sandberg Y,.et al.: J Mol Diagn. 7:495-503,2005
*3 インフォメーション

■検査項目

PCR法 サザンブロット法
コード 検査項目名*1 コード 検査項目名
09930 IGH(免疫グロブリンH鎖)遺伝子再構成 08557 免疫グロブリンH鎖JH再構成
09931 IGK(免疫グロブリンL鎖κ)遺伝子再構成 08558 免疫グロブリンL鎖Jκ再構成
09932 IGL(免疫グロブリンL鎖λ)遺伝子再構成 08559 免疫グロブリンL鎖Jλ再構成
09933 TRB(T細胞受容体β鎖)遺伝子再構成 *2 08555 T細胞受容体β鎖Cβ領域再構成
06871 T細胞受容体β鎖Jβ1領域再構成
06872 T細胞受容体β鎖Jβ2領域再構成
09934 TRG(T細胞受容体γ鎖)遺伝子再構成 08556 T細胞受容体γ鎖Jγ領域再構成
09935 TRD(T細胞受容体δ鎖)遺伝子再構成 08773 T細胞受容体δ鎖Jδ1領域再構成

*1:遺伝子名はThe Human Genome Organisation Gene Nomenclature Committee (HGNC)が規定した略称に準拠しています。
*2:PCR法によるTRB遺伝子再構成はサザンブロット法でのCβ、Jβ1、Jβ2の領域を網羅しております。

■PCR法の検出領域

検査項目名 検出領域
IGH(免疫グロブリンH鎖)遺伝子再構成 VH(FR1)/JH
VH(FR2)/JH
VH(FR3)/JH
DH1-7/JH
IGK(免疫グロブリンL鎖κ)遺伝子再構成 Vκ/Jκ
Vκ/Kde
Jκ-Cκintron/Kde
IGL(免疫グロブリンL鎖λ)遺伝子再構成 Vλ/Jλ
TRB(T細胞受容体β鎖)遺伝子再構成 Vβ/Jβ1,2
Dβ/Jβ
TRG(T細胞受容体γ鎖)遺伝子再構成 Vγ/Jγ
TRD(T細胞受容体δ鎖)遺伝子再構成 Vδ/Jδ
Dδ2/Jδ
Dδ2/Dδ3
Vδ/Dδ3

■キーワード

免疫関連遺伝子再構成 PCR法 clonality gene rearrangement




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