遺伝子・染色体検査

MYCN(N−myc)(2p24.1増幅解析)

N-mycは、N-myc遺伝子の増幅をFISH法により解析します。

[検査の適応]

神経芽腫の予後予測

[検査法]

FISH法

検査材料 必要量 保存条件 所要日数
ヘパリン加血液 3ml 冷室温
(4〜20℃)
5〜7日
骨髄液 0.5ml
その他
(リンパ節、胸水、腹水、組織、カルノア固定液等の材料)
-

■臨床的意義

神経芽腫において、一般に予後不良な進行期(stage3・4)患者の30〜40%にN-myc 増幅が観察されるのに対し、予後良好な早期(stage1・2)患者にはほとんど認められません。実際、N-myc 増幅の有無は予後に密接に関連しており、同じ病期でもN-myc 増幅例の予後は非増幅例に比して明らかに不良であることが多くの報告から証明されました。さらに増幅度を10倍未満と10倍以上の群に分けると、後者の予後が著しく不良であることも報告されています。

現在わが国で提案されている乳児神経芽腫の各種治療プロトコールでは、いずれも対象患者の年齢・病期とともに“N-myc 増幅(10倍以上)”の有無を条件に加えて、化学療法の必要如何ならびに化学療法実施時のレジメンを詳細に規定しています。N-myc 増幅の検索は、神経芽腫患者に対する適切な治療方針の選択に重要です。FISH法によりN-mycの増幅を迅速かつ高感度に検出することが可能です。
(写真:正常細胞)

[解析例]

正常細胞ではコントロールの2cen probe(緑色)2個に対してN-myc probeシグナル(赤色)が2個検出されますが、N-myc (2p24.1)増幅細胞では、緑色2個に対して赤色シグナルが3個以上検出され、N-myc 増幅度が大きい程、赤色シグナルの数は多く検出されます。

[注]
DM(double minutes ; 二重微小染色体):神経芽腫細胞にしばしば認められる染色体異常の一つ。動原体を欠く微小な一対の点状染色体片が観察されるもので、1細胞当たりの数は数個から数百個に及ぶことがある。DM 上には増幅したN-mycが存在することが確認されており、遺伝子増幅を反映した特異形態と考えられる。

HSR(homogeneously staining region ; 均一染色領域): G分染法によっても染色体の一部がバンドを示さず、均一に淡染される領域を云う。DM と同様、HSR上にもN-myc増幅が確認できる。1 患者でDM、HSR の両者の異常が観察される例もあるが、同じ細胞にDM、HSRが共存することはない。

■参考文献

Seeger, R.C. et al. : N. Engl. J. Med. 313 : 1111, 1985.
Kaneko, M. et al. : Med. Pediatr. Oncol. 31 : 1, 1998.
Kaneko, M. et al. : J. Pediatr. Hematol./Oncol. 24 : 613, 2002.



臨床検査 | 診断薬・機器 | 非臨床・治験 | 食の安全 | ドーピング | 健康診断サポート | 電子カルテ | 医療情報誌 | 会社概要 | 品質・環境 | 採用