検査の仕組み

検査の流れ

検査の仕組み
  • 妥当性試験で、無効、混入、入替と判定された検体は、結果が確定する。
    それ以外の検体は薬物の検査を行う。
  • 一次スクリーニングで陰性が確定しなかった検体は、LC-MS/MS法による確認検査を行う。
  • 確認検査では、質量分析法を用い、対象成分それぞれにつき陰性/陽性を確定する。

「妥当性試験」と「一次スクリーニング検査」

検査試料のことを「検体」といいます。薬物検査を行なう上で検査結果の信頼性は極めて重要です。一方、検査対象である覚せい剤や麻薬などの、非合法な使用(乱用)を隠蔽することを目的として、検体の改ざんが行われる恐れがあります。また、意図的か否かにかかわらず、水分の多量摂取により薄くなった検体は、薬物検査に適しません。

当社の乱用薬物検査では、薬物の検査に先立ち、全ての検体に「妥当性試験」を行い、適切な検体であるか否かを確認しています。これにより不正を見逃すことなく検査を行うことができます。

「妥当性試験」により、不適切な検体であると判定された場合には、再採尿を勧める旨のコメントと共に「無効、混入、入替」のいずれかの結果を報告いたします。検体に異物が混入されていると判定した場合は「混入」の報告となり、検体が尿以外の液体であると判定した場合は「入替」の報告となります。これら以外の不適切な検体もしくは尿が薄い場合は「無効」の判定となります。ただし、服用薬の影響や稀に体質により、無効や混入という結果となることもあり得ますので、注意深く再採尿頂くのに併せて、服薬履歴や医療情報のヒアリングを実施して下さい。

妥当性試験により適切な検体であると判定された場合は、薬物の「一次スクリーニング検査」を行います。検査試薬(EMIT法)により検査を行い、陰性となった検体は、「検出せず」という結果をご報告いたします。まれに、「検出せず」という結果に加えて「希釈が考えられます」というコメントが付くことがあります。検査の結果は有効ですが、再採尿をお勧めいたします。

確認検査

「一次スクリーニング検査」により陰性が確定しなかった検体は、LC-MS/MS法による「確認検査」を行います。これは液体クロマトグラフィー法(LC法)とタンデム質量分析法(MS/MS法)を組み合わせた分析方法で、感度および特異性が非常に高い分析方法です。対象となる12の成分それぞれについて、検体中の濃度を求め陽性判定基準値と比較して、陽性/陰性を確定いたします。

確認検査の分析方法

  1. LC-
    クロマトグラフィーで成分を分離します。
  2. MS/
    イオン化の後に質量分析器で特定質量の成分を選択します。
  3. MS
    コリジョンセルというところで分解し、発生した特定質量の成分を質量分析器で検出します。

LC(liquidchromatography:液体クロマトグラフィー)は試料中のそれぞれの物質が液体に乗って(液相)移動する速度の差で分離されることを利用した分析方法です。
MS(massspectrometry:質量分析法)は分子の質量と構造の特性を利用した分析方法です。

対象成分の検出・同定方法

治療薬物と乱用薬物の検査

治療における投薬管理での検査

治療のために投薬を行うとき、薬物の血中濃度に注意をしなければなりませんが、ときに医師は薬物治療モニタリング(TDM, Therapeutic Drug Monitoring)を行って、きめ細やかに投薬量を調節します。有効治療濃度に未達なら投与量を増やしたり投与間隔を短くしたりしますし、超過すると副作用や中毒の危険があります。すなわち、TDMの検査では「物質の濃度(定量)」に意義があります。

LSIメディエンスでは抗てんかん剤・睡眠剤・抗不安剤・精神神経用剤・抗不整脈剤などの各種薬剤の血中濃度測定を受託しています。

服薬後の血中濃度変化

※医薬品の他、農薬の検査も受託しています。薬毒物検査のページへ

乱用薬物の検出

一方の乱用薬物検査では、検査材料は尿です。摂取した薬物は体内で代謝されて尿中に排泄されていきます。薬物の使用を止めれば、体内の対象物質濃度は次第に薄くなっていきますから、「濃度の測定」より「物質の有無(定性)」に意義があります。このため、当社の検査報告は薬物ごとの定性報告です。

検出感度が高い検査方法が、より長期にわたり物質を検出することができるといえますが、当社の方法でも、いずれは検出限界を下回る濃度になります。

より詳しく知りたい方に、
資料をお送りいたします。

職域における
乱用薬物検査「解説資料セット」を差し上げます。

リーフレット/Q&A集/容器/封印シール/依頼書/報告書/価格表…他
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