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アディポネクチン(Adiponectin)

アディポネクチンは、脂肪組織に特異的に発現する遺伝子apM1(adipose most abundant gene transcript)の産物として1996年に見出された新たなサイトカインである。244個のアミノ酸より成る分泌蛋白であり、血中では三量体を基本構造として、これがさらに会合した球状の多量体を形成すると考えられており、12〜18量体の高分子型の活性が高いとされている。アディポネクチンは血中に5〜10μg/mLという高濃度で存在するが、脂肪組織特異的な発現にも拘わらず肥満者における血中濃度は低下しており、BMI(body mass index)と逆相関を示すという。その詳細な生理機能は未だ不明ながら、平滑筋細胞の増殖抑制や単球の内皮細胞への接着抑制に働くことから、抗動脈硬化作用を有する可能性が示唆される。実際、冠動脈疾患患者のアディポネクチン値はBMI補正した対照と比べて有意に低いことが報告されている。また、2型糖尿病患者でも有意に低値であり、とりわけ大血管障害を合併する例で著明であった。ここでグルコースクランプ法にて測定したインスリン感受性とアディポネクチン値の間には正相関が認められており、血中アディポネクチンの減少はインスリン抵抗性の上昇に密接に関連すると考えられる。

今日持続的な過栄養による内臓脂肪蓄積が高血圧、高脂血症あるいは耐糖能異常といった冠動脈疾患発症の危険因子の共通基盤であることはよく知られている。脂肪組織由来生理活性物質(アディポサイトカイン)の一つであるアディポネクチン測定は、代謝異常から冠動脈疾患の発症に至る病態形成機序の解明に有用と期待される。



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