遺伝子・染色体検査

MALT1(18q21転座解析)

MALT1 は、MALTリンパ腫の30〜40%に認められる特徴的な染色体異常であるt(11;18)(q21;q21)の転座切断点領域の探索を通じて1999年に単離された18q21上の新規遺伝子です。

[検査の適応]

MALTリンパ腫の治療方針の選択

[検査法]

FISH法

検査材料 必要量 保存条件 所要日数
ヘパリン加血液 3ml 冷室温
(4〜20℃)
5〜7日
骨髄液 0.5ml
その他
(リンパ節、胸水、腹水、組織、カルノア固定液等の材料)
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■臨床的意義

MALTリンパ腫は粘膜関連リンパ組織に発生する低悪性度Bリンパ腫で、非Hodgkinリンパ腫全体の5〜15%、一次性節外性リンパ腫の大部分を占めるとされています。その発生母地となるリンパ節外臓器としては胃、肺、甲状腺、唾液腺などが挙げられますが、とりわけ多くみられるのは胃MALTリンパ腫です。

胃MALTリンパ腫の大部分がHelicobacter pylori による慢性胃炎を先行病変とし、かつ除菌に伴って腫瘍の消退がみられることから、現在ではH. pylori 除菌療法がMALTリンパ腫治療の第一選択とされています。しかしながら、H. pylori 感染の有無に関わらず、t(11;18)(q21;q21)転座陽性例では除菌療法に反応しないことがいくつかの報告により明らかになってきました。

t(11;18)(q21;q21)転座の有無確認は胃MALTリンパ腫に対する除菌療法反応性の予測、代替治療手段の選択に有用と思われます。
FISH 法により 18q21 転座細胞の存在を迅速かつ高感度に検出することが可能です。

[解析例]

正常細胞では赤色の5' MALT1 probeと、緑色の3' MALT1 probeのシグナルが近接しているため、黄色のpseudo-colorシグナルが2個検出されますが、MALT1 転座陽性細胞では、シグナルの分断により、赤色と緑色のシグナルが独立して観察され、黄色1個、赤色1個、緑色1個が検出されます。
(写真:正常細胞)

■備考

API2/MALT1 転座[t(11 ; 18)(q21 ; q21)]につきましては、研究受託項目 API2/MALT1 で検査が可能です。
検査をご希望の際は、営業担当者にご相談下さい。

■参考文献

Akagi, T. et al. : Oncogene 18 : 5785, 1999.
Liu, H. et al. : Gastroenterology 122 : 1286, 2002.
Streubel, B. et al. : Blood 101 : 2335, 2003.



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